ツルバダ配合錠によるPrEPで副作用があらわれたら?1,2
ツルバダ配合錠を服用中に、下記のような体の異常が生じることがあります。
スタートアップ症候群
- ツルバダ配合錠を飲み始めてすぐに起こることのある、以下のような短期的な副作用をスタートアップ症候群といいます。
- スタートアップ症候群は、PrEPを始めた方の約1〜10%が経験します。
- 一般的に症状は軽く、1ヵ月以内に自然に消失することがほとんどです。
- 上記の症状が気になる場合は、自分の判断で服用を中止したり飲み方を変えたりせず、病院へ連絡し、医師に相談しましょう。
注意が必要な副作用(1)乳酸アシドーシス
- ツルバダ配合錠を服用していると血液中の乳酸値が高くなり、乳酸アシドーシスと呼ばれる状態になる可能性があります。
- 乳酸アシドーシスはとても危険な状態で、命にかかわることもあります。以下の症状があらわれたら、すぐに病院へ連絡してください。
注意が必要な副作用(2)肝障害
- ツルバダ配合錠を服用していると、肝臓に多量の脂肪がつき(脂肪肝)、肝臓が大きくなる(肝腫大)といった障害が起こる場合があります。
- 以下の症状があらわれたら、すぐに病院へ連絡してください。
注意が必要な副作用(3)腎障害
- ツルバダ配合錠を服用していると、腎臓の尿細管機能に変化が起こる可能性があります。
- その結果、血液検査・尿検査などの項目で、血液中のクレアチニンクリアランスの上昇や、リン酸値の低下などの検査値に変化が起こることがあります。
- また、腎臓に障害がある方では、体内のツルバダ配合錠の成分の濃度が高くなることがあります。
- 定期的に腎機能検査を受けましょう。
注意が必要な副作用(4)骨代謝異常
- ツルバダ配合錠を服用していると、骨に障害が起こる可能性があります。
- ツルバダ配合錠を含む多剤併用療法を長期間行ったHIV陽性者において、骨粗しょう症を発症し、骨折を起こしたことが報告されています。
- すでに骨の病気がある方には、骨密度検査などをすることがあります。
ツルバダ配合錠の服用では、特に腎障害、骨代謝異常に注意が必要です。ツルバダ配合錠によるPrEPを開始する前に、リスクと
ベネフィットについて、よく医師と相談してください。
その症状、急性HIV感染症かもしれません1
- ツルバダ配合錠を飲み始めてすぐに熱、倦怠(けんたい)感、風邪のような症状(インフルエンザ様症状)があらわれた場合、副作用ではなく、PrEPを始める前や直後にHIVに感染している可能性があります。
- HIVに感染した状態でツルバダ配合錠の服用を続けると、体内にこの薬が効かない(薬剤耐性)ウイルスがあらわれる
可能性があります。 - PrEPを始めた直後に風邪のような症状があれば、すぐに病院を受診してください。
- 令和2~4年度厚生労働省科学研究費補助金(エイズ対策政策研究事業) 「HIV感染症の曝露前及び曝露後の予防投薬の提供体制の整備に資する研究」 研究分担者:生島嗣、 研究代表者:水島大輔.日本におけるHIV感染予防のための曝露前予防(PrEP)<利用者ガイド> 第1版.
https://jaids.jp/wpsystem/wp-content/uploads/2022/11/uder-guide-matome-1Pver.pdf 2024/07/17閲覧 - ツルバダ®配合錠 電子添文 2024年8月改訂(第4版)